特別座談会
三島:
ブルーシュの第一印象はどのようなものでしたか?
重見:
最初は、ブルーシュの既存のものをセットでいただいたんです。毛先を触ってみて、毛質の良さを真っ先に感じました。あと、私はこの三角軸がとっても気に入っています。最初に見たときのインパクトもありましたね。「これは人間工学とかそういうので計算されて作ったのかしら」と思ったりして(笑)。なんだかとても感動のある出会いでした。
森川:
見た目で、「これはちょっと使いにくいかも」と感じた筆も、実際使ってみると使いやすい。そういう良い意味でのギャップがたくさんありました。
重見:
大抵はこういうセットって、これはいいけど、これは絶対使わないな、っていうのがあるんですが、ブルーシュにはそれがなかったんです。
森川:
そして、サンプルが送られてくる度にどんどん改良されていったのが、パウダーの含み具合でした。これは今後、ブルーシュの大きな特長になってくる部分だと思いますよ。実際にパウダーを使って、肌への広がりを見てもらうとすぐに分かります。
重見:
キレイにふわーっとフォギーな質感になり、触った感じも気持ちいい。それを見たらみんな使ってみたいって思うはずです。
三島:
ブルーシュを立ち上げてやっていく中で、「これいいよね」とか、「悪いよね」っていう漠然とした評価はよく耳にしたんですが、「これがこうだからこういい」って言っていただけるのはなかなかなくて…。僕らからすれば今まさに感動です。実は、社内の意見で判断してきたことが多くて、「これはいいものだ」という作り手側の勝手な先入観があるんじゃないかと心配していたんです。
森川:
そこは自信を持っていいところだと思います。メイクアップの筆は、大きく2種類にすみ分けができると思うんです。直接肌に触れるものだから、作業のしやすさだけでは選べないのですが、特に大きなものほど、肌に触れたときの気持ちよさが大切。そして細かいものは、目を閉じていたりして、あんまり分からないと思うので、よりツールに近い気がします。ブルーシュは、そのどちらの分野も満足の仕上がりなんです。例えばこの大きな筆は、肌触りが良いので、使っている僕の気持ちも上がるんです。これを使うときは、いつも以上に、ふわーってやってると思いますよ。そうすると、その思いが筆にのって、モデルさんにも伝わるものなんです。
重見:
そういう意味で、化粧行為って素晴らしくって…。こちらの気持ちが伝われば、自然に相手の表情が美しく変化してくる! だから絶対に気持ちをこめないとできない仕事。言霊じゃないですけど、私たちはメイクアップすることによって、技術だけでなく気持ちも伝えていて…。だから私たちの手の代わりとなり、直に伝えてくれる筆はとても大切な相棒なんです。ブルーシュって、触り心地がソフトで、気持ちを伝えるのに適した筆だと思います。