特別座談会
箕浦:
我々は長年画材の筆を作ってきました。筆というのは道具ですから、使い方が変わっていくとともに、バリエーションが増えていくものです。現在、画筆では6000アイテム、シリーズとしては1000種ほどのラインナップがあります。
森川:
僕は、クリエーティブなメイクアップをするときに、大胆な線を描いたり、ペイントすることがあるのですが、そういうときに画筆を使うことがあるんです。
三島:
画筆の方が使いやすいんですか? 用途が違うんじゃないかと思うんですが…。
重見:
用途は同じです。シャーとかすれたような線を引く、ペイント的なメイクアップとか。
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森川:
ペイントは特殊な例ですが、例えばリキッドファンデーション用の筆。以前はファンデーションも手で伸ばしてたんです。でも体温もあるし、手のあたりとかもあったりして、効率がよくなかったので、今では一般的に筆を使うようになっていますよね。メイクアップも多種多様な用途のツールが生まれるにつれ、昔以上にツールの重要性が高まったように感じます。
重見:
ネイルブラシもあるんですよね?
三島:
この分野もつきつめていけば、もっと種類が増えていくと思うんですけど、今のところは23種です。
森川:
ネイルでは、圧倒的に使い手の描きやすさが重視されますよね。
三島:
そうです。だから、画筆と近い知識で作ることができました。
森川:
ブルーシュも、使い勝手を優先した細い筆に関しては、最初からかなりの完成度でした。やはり画筆を作っているだけあって、描きやすさを優先した筆に関しては、無条件に高い技術をお持ちなんだなと。
箕浦:
言われるように、これまでの知識があって、出来上がった部分もあると思うんですが、穂先に関しては同じように見えて全く別物です。「画材屋さんには化粧筆は作れないよ」なんて言われたこともあります。実際、化粧筆を作る過程で、パウダーの含みの加減はさっぱり分かりませんでした。含みというと我々は水の含みしかイメージになかったので…。さらに化粧の場合は、含みながら放つこともできなきゃダメ。画筆を発注するように「このスペック通りに作ってくれ」って言って作らせると、全く別のものが上がるんです。スペックに表せない部分が化粧筆にはたくさんありました。
重見:
とはいえ、柄の部分は、やっぱり画材のメーカーさんが作ると違う、って思いますよ。これが細すぎたり、短すぎたりすると、筆圧とか、操作性にも関わってくるので…。でもこれで描くと、ラインがすごく安定するんです。
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森川:
長年画筆に携わってきた職人さんたちのベースがあるからできることで、他のメーカーが全く同じものを作ろうとしても、できないと僕は思います。
重見:
三角にしたのはどなたかのアイデアですか?
三島:
いえ、もともと画筆にあるんです。
森川:
そうなんですか!? この三角軸って、持ち替えるときに、ファンデーションなどで手が粉っぽかったりしても、滑りにくくて使いやすいです。
重見:
これまでの知識と経験に加えて化粧筆に関する新しい研究に取り組んで、それが融合したものがブルーシュなんですね。
ADVISER & STAFF
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森川丈二
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重見幸江
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USUI BRUSH株式会社 製造部資材課
箕浦透
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