特別座談会

SPECIAL DISCUSSION #5

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画筆のプロが力を合わせたブルーシュ誕生までの道のり
森川丈二氏×重見幸江氏×弊社スタッフの特別座談会 #5

箕浦:

我々は長年画材の筆を作ってきました。筆というのは道具ですから、使い方が変わっていくとともに、バリエーションが増えていくものです。現在、画筆では6000アイテム、シリーズとしては1000種ほどのラインナップがあります。

森川:

僕は、クリエーティブなメイクアップをするときに、大胆な線を描いたり、ペイントすることがあるのですが、そういうときに画筆を使うことがあるんです。

三島:

画筆の方が使いやすいんですか? 用途が違うんじゃないかと思うんですが…。

重見:

用途は同じです。シャーとかすれたような線を引く、ペイント的なメイクアップとか。

森川:

ペイントは特殊な例ですが、例えばリキッドファンデーション用の筆。以前はファンデーションも手で伸ばしてたんです。でも体温もあるし、手のあたりとかもあったりして、効率がよくなかったので、今では一般的に筆を使うようになっていますよね。メイクアップも多種多様な用途のツールが生まれるにつれ、昔以上にツールの重要性が高まったように感じます。

重見:

ネイルブラシもあるんですよね?

三島:

この分野もつきつめていけば、もっと種類が増えていくと思うんですけど、今のところは23種です。

森川:

ネイルでは、圧倒的に使い手の描きやすさが重視されますよね。

三島:

そうです。だから、画筆と近い知識で作ることができました。


森川:

ブルーシュも、使い勝手を優先した細い筆に関しては、最初からかなりの完成度でした。やはり画筆を作っているだけあって、描きやすさを優先した筆に関しては、無条件に高い技術をお持ちなんだなと。

箕浦:

言われるように、これまでの知識があって、出来上がった部分もあると思うんですが、穂先に関しては同じように見えて全く別物です。「画材屋さんには化粧筆は作れないよ」なんて言われたこともあります。実際、化粧筆を作る過程で、パウダーの含みの加減はさっぱり分かりませんでした。含みというと我々は水の含みしかイメージになかったので…。さらに化粧の場合は、含みながら放つこともできなきゃダメ。画筆を発注するように「このスペック通りに作ってくれ」って言って作らせると、全く別のものが上がるんです。スペックに表せない部分が化粧筆にはたくさんありました。

重見:

とはいえ、柄の部分は、やっぱり画材のメーカーさんが作ると違う、って思いますよ。これが細すぎたり、短すぎたりすると、筆圧とか、操作性にも関わってくるので…。でもこれで描くと、ラインがすごく安定するんです。

森川:

長年画筆に携わってきた職人さんたちのベースがあるからできることで、他のメーカーが全く同じものを作ろうとしても、できないと僕は思います。

重見:

三角にしたのはどなたかのアイデアですか?

三島:

いえ、もともと画筆にあるんです。

森川:

そうなんですか!? この三角軸って、持ち替えるときに、ファンデーションなどで手が粉っぽかったりしても、滑りにくくて使いやすいです。

重見:

これまでの知識と経験に加えて化粧筆に関する新しい研究に取り組んで、それが融合したものがブルーシュなんですね。

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ADVISER & STAFF


森川丈二

もりかわじょうじ
1988年(株)資生堂へ入社。数多くのTVCF、広告のへアメイクを手掛け、同時に「MASA」のメンバーとしてPARIS・NY・東京コレクションでのヘアメイクやヘアショー、セミナーなどの活動を国内外で担当。
1996年には、JHA(ジャパン・へアドレッシング・アワード)最年少グランプリ受賞。
さらに最優秀ロンドン賞2回・準グランプリ2回など数々の受賞暦を持つ。2006年4月、原宿に「gem(ジェム)」をオープンし、Hair&Makeupとして雑誌・広告・TVCF・SHOW・セミナーなどの仕事と共にサロンワークでも活動中。
ナチュラルからクリエイティブまで、他に類を見ないクリエーション力を発揮し、国内外の幅広い分野で活躍中。

重見幸江

しげみゆきえ
1988年(株)資生堂へ入社。広告・TVCF・雑誌などのヘアメイクやPARIS・東京コレクションにて数多くのメゾンを担当。
ピエヌやフフなど資生堂を代表するブランドのカラークリエーション、メイクアップソフト開発なども担当。その他 「メーキャップ理論」の構築などソフト研究・開発にも携わる。また、「MASA」のクリエーションメンバーとして活動し、1999年JHA(ジャパン・へアドレッシング・アワード)優秀新人賞を受賞するなどメイクアップだけでなくヘアテクニックの評価も高い。
2004年に独立。現在は「gem」の主宰としてTVCFや広告、ファッション誌を中心に国内外で幅広く活動し、数多くの女優やモデルから支持されている。

USUI BRUSH株式会社 製造部資材課

箕浦透

みのうらとおる
入社後、穂先の製造を担当した後、3年間スリランカ工場で整毛に携わる。1996年に帰国し、現在は毛の仕入れを担当。ブルーシュでは、品質管理、製造の責任者として商品開発の際のサンプル作りを行った。

USUI BRUSH株式会社 国内営業部

三島健一朗

みしまけんいちろう
入社とほぼ同時にネイルブラシの企画営業を担当。以来、画筆・ネイル・メイクなど数多くの商品企画、営業を行う。ブルーシュには立ち上げの段階から携わり、素材・カラー・ロゴ・デザインなどの企画に参加。
BUSINESS INDEX
不動産経営
USUI PROPERTIES
輸出入/小売
USUI INTERNATIONAL